地域の人たちによる地域経営の強化に貢献する
地域経営の強化への取り組み
ACWパートナーズは、地域の事実の見える化と地域のリーダーとの対話を通して、地域経営の強化に貢献していきます。
日本経済が低迷する中で、活気を失ってしまった地方
「昔はもっと人通りが多かった。肩と肩がぶつかるくらいでした。」
といったことを耳にすることがあります。
その街を歩いてみると、以前はもっと活気があったであろう商店街の大半が閉まっている。歩いている人は高齢者が多く、若い人が少ない。
このようなことは珍しくありません。
2009年をピークに日本の人口は減少し、若い人は少しでも便利で華やかなところへと移っています。仕事や子供の教育のことを考えると仕方がなく思いますが、右肩上がりの時代に栄えたころの街の姿を知る人にとっては寂しいことでしょう。
全体ではなく個に目を向け、外からではなく内から見る
右肩上がりの時代の考え方では暗い話にしかならない
右肩上がりの時代には、働けば働くほど収入が増えて、豊かな暮らしができました。企業活動や国の政策は車で言うとアクセルを踏むことを考えていればよい時代であり、良い話がたくさんありました。
日本は1995年をピークに生産年齢人口が下降に転じ、アクセルを踏んで加速することではなく、緩やかにブレーキをかけながら減速しなくてはならない時期に入りました。つまり、大きく舵を切る必要があったのですが、右肩上がりの感覚が残っている中で政府や企業は迷走してしまいました。
このようなことを考えていくと暗い話ばかりになってしまうのですが、私たち一人ひとりも考え方を大きく変える必要があります。従来の考え方に照らすと暗い話ばかりですが、考え方を変えると一筋の光が見えてきます。
全体の傾向ではなく、個のバラツキに注目する
日本が成長してきた時代に染みついた考え方の一つが、「全体の傾向を見て判断してしまうこと」です。テレビや雑誌を見て「これからは○○業界が伸びるらしい」とか「○○の業界はもう終わりだ」などと、つい傾向を追ってしまうことはないでしょうか。トレンドやブームといったことが世の中を動かしていたのが成長期なのです。
この考え方には大きな落とし穴があります。これから伸びると言われている業界は、競争が激しくなります。このようなご時世ですから価格を下げないと競争に勝てず、結局儲からず、事業を続けられなくなることも珍しくありません。
一方、今後の伸びが期待できず、儲からないと言われている業界にも、しっかり儲けを出している事業者や企業がいます。過度な競争に巻き込まれず、お客さまのために集中することで着実に利益を得ています。
地域についても同じことが言えます。全体の傾向よりも各地域がしっかりとした意思を持っているかどうかが大切になります。
外ではなく、内から事実を見ることで手がかりをつかむことができる
成長期に染みついた考え方をもう一つ紹介します。それは「外からの評価を気にしてしまうこと」です。様々な視点で都道府県や自治体のランキングが発信されることがあります。このようなランキングを示すことで各地域に健全な努力を促したいという主旨なのかも知れませんが、多くのランキングが「なるほどそういう傾向もあるかも」「隣の地域よりは上でよかった」などと参考程度にしかならないものとなっています。地域の発展に繋がるヒントを得ることが大切です。
また、「地方創生が必要だ」という声もよく聞きますが、地方を創生するのは誰か?ということも考える必要があります。「都会に出てきた人が故郷を良くしたいと思う気持ちもわかる」のですが、東北地方などでJAへの支援や介護事業の経営をしてみて実感したことは、「その地域で暮らす人なりの考え方や基準がある」ということです。外から見て「もっとこうした方が良い」という方向に誘導するのではなく、その地域の人口動態、産業、教育・医療・福祉、サービス、ヒト・モノ・金・知恵の出入りなどの事実を見える化した上で、地域のリーダーたちが主体的に方向性を見出すことが大切だと考えています。